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【映画】ロブスター 感想

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『ロブスター』という映画を観ました。 45日以内に恋人を見つけないと動物に変えられちゃうよ!というファンキーな設定の映画です。ぶっ飛んだ設定ですが、「そういうシステムの国があるのかも?」と思ってしまうほど作りこまれていました。

それと「茶色の革靴だけを履くことに決めた」みたいな些細な決意がモノローグでちょくちょく挟み込まれるんですが、それがすごく好い。村上春樹が好きなひとはたぶん気に入ると思います。

 

私はこれまで小説ばかり読んでいたので、映画表現はなかなか新鮮で面白いです。

小説は「街でいちばんの美人」みたいに広がりのある表現ができて、時代や場所を選ばずに通用する面があるのですが

映画は「街いちばんの美人です!」ってのをちゃんと提示して、本当に美しい人が美しい振る舞いをする。そして女優が一番美しく映えるアングルで撮影する。

映画の即物的な美しさはなかなか強いなぁと思いました。

 

『ロブスター』、是非ともお薦めしたい映画です。 ・・・が、観てしまうと恋愛に対するハードルが上がってしまうような気がします。

私は観る前と後では同じように恋愛を考えられなくなってしまいました。それくらい破壊力がある映画。まぁ、価値観が変わること自体はいいことなんじゃないでしょうか。